UNCCAスタッフの声

宇部市地球温暖化対策ネットワーク(UNCCA)スタッフが気ままに書きます http://ubeondanka.net/

気候変動の速度

COP25の開催に伴い、スウェーデンの環境活動家グレダさんの動向や、日本が異常気象で最も大きな被害を受けた国と認定された事、更には、温暖化対策に消極的な国に与えられる不名誉な化石賞の受賞と環境問題がらみの話題に事欠きません。

少し、古い話になりますが、先月末に長野県環境保全研究所などの研究グループが、「気候変動の速度(VoCC)」という指標を使った報告書を発表しました。 

詳しくはHPを見て頂くとして報告書は以下の様に述べています。

地球温暖化により野生動植物の生息適地は、より標高の高い地域やより北の地域へと移動したり、消滅したりする。この研究では、約1km四方ごとの年平均気温を、現在(1981-2010年)と将来(2076-2100年)で比較し、気候変動の速度(VoCC)を日本全国で推計し、全国平均の「気候変動の速度」は249m/年であり、この速度で移動することは、多くの樹木にとって困難。

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この結果を踏まえ、温室効果ガスをできるだけ減らすと同時に、野生動植物の移動の補助や生息域外での保全策を検討を始める必要があると指摘しています。様々な動植物の限界線が北に移動する懸念は以前から大きく叫ばれていましたが、水平方向の移動距離や『気候変動の速度』が数字で示されて、改めて温暖化防止の大切さを学びました。(太田)